2011年8月28日日曜日

8月26日

「私の前世、やっぱり、置屋の女将さんやねん」
と、さくさくと仕事の手を動かしながら言い出す社長。

わたし「誰かにみてもらったの?」
社長 「ううん。そうじゃないねんけど」
わたし「じぶんでわかっちゃうというか、社長のなかに、確信があるんだ?」
社長 「そうでも、ないねんけど。でも、そうやねん。
それで、旦那がつかなくて、身うけ先がきまらない子がずっと残ってて。でも、その女将さんも、
ずっと残ってる子には情がわいて、かわいくなるから、かわいがっちゃう、みたいな。」

わたし「それって、わたしたちのことー?ひどいわーー 笑」
社長 「そう、ひどいやろーー 笑 でも、そうやねん。笑」
わたし「ひどい、ひどすぎる。笑」
などと言いあいながら、仕事をしていた。

いったいどんな会社かと思われそうだが。


さて。
自分自身について、
自分が知ることのできる範囲を越えたところからやってくる情報を教えてもらいたい、
という気持ちになることがあって、
ときどき、とあるサイキックな人に尋ねてみる。

「なんで、こんなに、男というものを憎んでしまうのか。じぶんに無害な人までも」
という問いに、彼女はさくさくと答えてくれる。

とある過去世で、復讐のためにたくさんの男たちを殺してしまっているということ。
(弓矢で。殺すために、弓矢の特訓をしたんだそうだ。)
殺したかった、たったひとりのその男の顔はしっかりおぼえているけれど、
その男そのものを殺せたかどうかは、わからないのだ、ということ。
(つまり、罪のない、似た顔の男をまちがってたくさん殺してしまったということだ)

それをきいたとき、笑っちゃいそうなぐらい、そのときのことが思い出せた。
「ああ、それ、わたしだ。」という、妙にリアルな感覚があった。
殺してしまった男だった人とも、たぶん、今世で出会ってる、と思う、のであるが、
こういうことは話せば話すほどうさん臭くヤバいかんじになるので、この程度で充分だ。

さて。

7歳以前のわたし。
「男は女の敵。女に悪いことをする男は抹殺すべきである」というような、へんに確信にもとづいた使命感をもって生きていて、
女の子に意地悪をして泣かせたりスカートをまくったりする男の子を殴り蹴り、咬み、
最後には四つん這いに歩かせて、手製の鞭で打ちまくる、
という幼稚園生活を営んでいた。
泣いてしまいそうなくらいに真剣に、正義感と復讐心に燃えていた。

中学生のときにやりたかったことは弓道をならうことだったけど、実現はしなかった。

おとなになるにつれ、「男は敵」という産まれもっての信念を正当化させるような事象にたくさん出会った。

サイキックな彼女の言ったことには、
「憎んでも、いいの。憎む自分を否定しなくていい。男をすきにならなくてもいい。
でもね、ひとつあなたへの宿題をだすとしたら、『そうじゃない男もいるってことを、知る』ってことね」

ひとによっては、こんな宿題、産まれた時からクリアできていたりする。
ひとによっては、こんな宿題をクリアするのに、何十年もかかったり、する。

彼女に宿題をもらってから1年ぐらいたった。
だいたい、彼女にもらった宿題って、「はあ、これかも」と気がつく日がくるのに、1年ぐらい、かかってる。
ころして、ごめん。
She

8月25日

えり子さんからスカイプ。
仕事のことから話題がどんどんとひろがって。

「交通事故に遭う、人に襲われる、痴漢にあう、あたられる、
などというのは陽性に極まった事象であって、
陰性に極まった状態にある人が受け易い」
というような話がでてきた。
タイムリーである。

それそれ、なんだか、すごーくよくわかる。
数年前までのわたしの人生、いかに陰性に極まっていて、それを気づかずにいたか。
じぶんの体感として、よーーくわかるんだ。
(交通事故だけは、わたしじゃなく、母さんが遭ってしまった)

じぶんの身になにがおきているか
というのは、ほんとうによくそのときの自分をあらわしているし、
自分が世界をどうみているかによって、自分のまわりにはそのとおりの世界がたちあらわれるものだな、と、
このごろつくづくおもっている。
同時に、そう思うようになったことで、自分がすこし冷たい人間になったような気もしているのだけれど。。。。

ひとの身になにかがおこっているとき、ああ、・・・と思う。
それはどうしようもないことだし、どうにかしようとおもうのはいやだ。
それは、そのひとの世界だから。
そのひとの世界を侵すのは、いやだから。
どんな世界があってもいいとおもうから。

だけど、きもちのどこかでは、うーーーん。。。と思ったりもする。
ヤッパ ニンゲンダモンネエ。
woke up beside a lake

8月24日

昨晩の半身浴と白湯のみのあと、
陰性な性質にかたよっていたこころとからだが、すこし真ん中に寄ったかんじ。
自分の真ん中にある軸をちょっととりもどしたような、かんじ。
そういう感じを、体で感じるので、おもしろい。

バランスのくずれた状態になると、よりバランスをくずすものを食べたくなったり、
よりアンバランスになる生活をしてしまったりするなあということを
つくづく実感しているのだけど、
「冷える」とか「アンバランスになる」ということを敵視すると、
また自分の行動を否定する要素をつくっちゃうことになる。
なので、いろんなことはおおめにみようとしている、つもり。。。

だって、調子のいいときに、より調子をよくするのは、かんたんだもの。

調子のよくないときに、
から元気を出すでもなく、(出してもいいとおもうけど)
しんどさを無視するでもなく、(無視してもよいとおもうけど)
しんどさはしんどさのままに。(それはそれでしんどいんだけど)
あとは放り投げて、白湯をのんで、お風呂に入る。(ふしぎにすっとする)

どうすごすか。

ネガティヴ/ポジティヴ、
陰/陽、
分断/統合、
二元性/多元性、

どっちがよくて どっちがダメ、
こっちはまちがいで こっちはただしい 
ってことじゃないなとおもう。

散漫な日記になっちゃったな。
like feathers

8月23日

ぐったりと寝ていた。
夕方前ごろから家事をして、家族の夕飯を作り、
またずっと横になっていた。
from there to there

2011年8月23日火曜日

8月22日

朝、「柳田はブラジルからまだ帰ってこないのだろうか」と思っていたら、
「帰って来ました」というメールが来た。

この国で暮らしていたら一生出会わないような光景をうしろにして、
はじけとぶような顔した写真がぞくぞくと送られてくる。
なんだか正体のわからない、ものすごく派手で巨大な女の人形と並んでいたり。

「あたし日本で鬱々としてたわよ なんかぜ〜んぶふりきりたい、その巨大女みたいに!」
とおもわず語気荒く返信した。

いつものように夜になって、
この後仕事をつづけるにはお腹が減り過ぎたなと思い、
近所のスーパーへおむすびを買いに行く。
社長には、おかかのおむすび。(ちりめん山椒のが無くて)
まみこさんには、うめぼしのおむすび。(ちりめん山椒のが無くて)
わたしは、明太子のおむすび。(お昼にうめぼしのを食べたので)

支払いを終えて、3つのおむすびをエコバッグにすべりこませていたら、
「アンタ!なにしてんのよ!」
という、ひくく響いて粘り気のある声が。
柳田である。

おもわず、「ぎゃーっ」と叫びながら、お客さんが買った品物をビニール袋に詰めたりする
あの台の前で、ぎゅーっと抱き合う。
「おかえりーーー」
「かえってきたわーーー」
「今日帰ってきた?」
「そーよ、朝アンタに送ったメール、空港からやってんから」

スーパーを出て、自転車を押す柳田とゆっくり歩きながら話。
わかれるまえの角で立ち話。

「なんかさー、あっちって、ゲイがもう、めっちゃくっちゃ多くって、
オネエ系のゲイの軍団なんかが、ふつうに、ライヴとか聴きにきてて、ふつうに混じってて、
で、足が切断されてて松葉杖ついてるオネエ系のわかいゲイの子なんかも居んのよ。
ほんで、年取ったおばちゃんとかも、もうみんな一緒に、音楽きいて踊り狂ったりするのよ。
そのなかにホームレスが混じってて、物乞いしてきたりもするしさ。」

そういう話をするときの表情とか語りかたにおいて、
ちょっと類を見ないうまさのある柳田の技にまけて、
不覚にも涙がにじんでくる。
まあ、夜だし見えないでしょう。

「で、その後みんなどうしてんの。へろへろになっちゃったり、してんの?」
「うーん、どうかなあ。。。ゆうこちんにメールしたら、妙に明るい返事がかえってきたけど。。。。」
「ふーん、そうなんだ。。。。あー、アタシも、なんかこの後やだわー。。。」
「リバウンドがくるかもって?」
「うん、そう」
「生徒に癒されなよ」
「うん、まー、そーなんだけどー」
「生徒がいるから」
「うん、まーね。。。」
柳田は誇り高き教師なのだ。

「また、納涼パーティとかするわ。アンタもあそびにきなさいよぉ」
「うん、うん」

ちりんちりーん、ちりんちりーん、と2回ベルを鳴らして、柳田は行った。
「さみしくなったら、あたしに電話すれば」と言いそうになったが、
たぶんそういうときに柳田のもとめるのはわたしではないのである と思って
よしておいた。
to put on or not

8月21日

みのりちゃんとの話のなかで「ぐるりのこと。」という映画のことがあがって、
もういちど観たくなり、観た。

ああ、これってまさに、数日前のうだうだした心にたいする回答だ。

「ちゃんとしなきゃ」
「ちゃんとするの。」
の呪縛にかかって、けれどその自分への期待がみじんにくだけたとき、
こころがよじれて病んでいくのをとめられない、妻。

ほんとうは、「ちゃんと」なんて、しなくてよかったんだけど。
でも、「ちゃんとしてる」ってひとにおもわれてると、安心なんだよね。
だけど、とことんぐちゃぐちゃに崩れていってみてはじめて、わかることだって、ある。

「なんで、あたしといっしょにいるの」ってぐちゃぐちゃの顔になって泣いている妻にたいしていう夫の

「すきだから」っていう言葉がすごいな、と、あらためて、
ずきーんときた。

「すきだから」なんて、こんなに何の根拠もあてもない答えがあろうか。
こんなに、それ以上にも以下にも言いようのない言葉があろうか。


これから観ようとおもっていたひとには、ごめんなさい。
でも、これだけ読んだくらいで、観たときの感動がすこしでもそこなわれるなんてこと、
絶対に無いって思います。
little women

8月20日

ひさびさに、起き抜けに、太陽礼拝をした。
ながいきびしい夏のからだが、かちかちだと訴えている。
ゆっくりゆっくり、できるところでとめて、
同じ動作をくりかえしくりかえしおこなうと、
5周目にはもともとのかたさくらいにほぐれた。

わたしのすきな、三角のポーズをする。
三角を作って胸をひらいていくときに、きまって股関節がぽきっと鳴るのだけど、
今日は鳴らなかった。
こころがちぢこまると、からだもちぢこまるからなあ。
でも、ちゃんと、伸びる。少しずつでも、あそびは、できる。

伊集院くんのところのTシャツにプリントされていた、とても繊細な幾何学模様がきえてしまったので、絵を描いた。
描いてしまってから、はっ 描いてしまったけど と思って伊集院くんにメールをした。
ほめてくれてやさしい伊集院くんだった。

ひとりこっそりおやつをすこしたべたり、
ひとりこっそりお酒をすこしのんだりした。
a little bit dried

8月19日

空が、たかい?
すこし、すずしい?

秋という季節は、今年もほんとうにくるのだろうか と思っていたけれど、
やっぱり今年もくるようだと思う。

音楽3人組について。
クロガネさんに電話すると、
ほかのことでいそがしいのでしばらくバンド活動をするのは無理ですねえ
という返答をきいたのが2週間あまり前のことである。
それをサキ兄につたえて、「まあ、考えよう」っていうことだったのだった。

ひとにはひとのいろいろなタイミングっていうものがあることだし、
クロガネさんのぬきさしならぬ事情というのはわからないことではないし、
わたしとしては、サキ兄とふたりでもいいのだし。
またほかのひとがいっしょでも、いいのだし。
クロガネさん大好きなわたしたちみんなはとても残念だけれど、
またそのうちに一緒にできるときがくるかもしれないわけだし。

ああ、巡り合わせってふしぎ。
そもそも、この2011年に、
クロガネさんとサキ兄とわたしとで3人組になったっていうのが、
ずいぶんとおかしなことではないですか。

サキ兄にメール。
「曲つくりも ろくおんもしたいです
なにからどうしたらよいのか・・・」
わたしはまたもサキ兄に「どうしたらいいか」と問うている と思った。
tender pink

2011年8月21日日曜日

8月18日

トートバッグを3つ縫って納品しなければならない日。
プリントした生地にちょっとした不具合がでている。
プリント生地の不具合の修正をしてほしいといわれる。
プリンターの調子がおかしくなっている。
お盆期間なので、修理のひとがなかなかこられない日。

ぶあつい帆布を縫えば縫うほど、おかしなことになっていく。
ほどけばほどくほど、端がほつけて縫えなくなっていく。

社長 「わたし不器用だからさー。ピーコも不器用でしょ」
わたし「うん。不器用」
社長 「ミシン仕事なんて、やるもんじゃないよねー。作るのは好きだからよく作るけど、
             作るっていうのと、縫うのが上手っていうのは別だと思うのよ」

それ、よくわかる。
まわりにいる、物作りのすきな面々をおもいうかべても、なんとなくわかる。

だが、そんなこんなで。

結局、社長に力をかりて、なんとか成し終えた。
分厚すぎるところは、ロックミシンをかけてちょっとでも薄く。
縫えないほど分厚いところは、もう、縫わない。。。
プリンターのインクもなくなりそうで、残りの生地もぎりぎりだったけど、
なんとか、必要な修正もできた。

社長 「奮起してん。ピーコパワーだと思うわー」
わたし「あ、それって、わたしに頼れないっていうのがわかったから?笑」
社長 「うん、そう 笑」
わたし「もう、自分がやるしかない、って思って?笑」
社長 「そう。笑」
わたし「笑」

社長が縫っている様子をみて、わたしも知恵をつけ、
最初よりはずいぶんましなのが縫えた。
アイロンをあてて成形して、
それぞれに詰め物をいれて、
「製品ぽい〜!」
「きれ〜!」

きりきりになっていた神経がほどけた。
わたしは昼ごはんをたべるのを忘れていて、
夜にてりやき麩のちいさいおべんとうをたべた。
とてもおいしかった。
summer evening 3

8月17日

うながされて眠り薬を飲んで寝たので、
いちにち眠たく、
しかし、仕事があるのはうれしいものだ。

色合わせは初心者なので、やたらめったら時間がかかる。
プリンターに不具合がおこる。
やったことのない、縫製の仕事も待ってる。
なにかと、おちこみかけるじぶんとの、ちょっとした、たたかい。

いまのところ、わたしが「これなら自信あるな」と言えるような作業はなにひとつ、
ないのだが、
とにかく、やっていくことでしか、先はないんだ。
やっていって、「先」ができていくことって、たぶんおもしろい。
summer evening 2

8月16日

あまりに後ろ向きで無気力な日について綴るのもかなしいので、
作った歌の詩をのせるなどしてごまかしていたのであるが、
そうこうしていたら昨晩、あるかたからメールがとどいていた。

わたしの憂鬱つづきの日記を読んで、活力をもらったとのこと。

そんな励まされかたがあること、わたしも知っている。
だから、うれしい。

わたしは、いつでも元気ではつらつとしているひとを見るのも、好きだし、
ずるずる落ち込んでいて、あるときぽーんと抜け出して、
でもまた落ち込む時期がきて、
でも、基本的に向いてる方向がわたしのきらいな方向じゃない、
そういうひとを見ているのも、好き。

夜、外国のともだちとチャット。
彼女も最近じつは落ち込んでる、とのこと。
なにについて落ち込んでいるのか、おたがいにつらつらと並べてみた。

何ものにもなれない。じぶんって中途半端でとりえがない
ああならなくちゃ、こうならなくちゃ。


未婚既婚子どもありなしにかかわらず、
自分の欠陥をみつけては自分を責める、おんなたちだ。

だれも、ああしろ・こうなれ・なんて言ってないのに。
ひとと比べてああならなくちゃ・こうしなきゃ・って思ってるのは、
じぶんだけなのに。
おんなって、くらべる。
ゆるせばいいだけだってことわかってるんだけど。

「かなしくなることにおぼれてるのよね」

彼女とああだこうだと言いあっているうちに、
それ自体がネタみたいになってきたのだった。
summer evening 1

2011年8月15日月曜日

8月15日

毛布の子ども (2008)

「長い長い夢を 覚ましてくれたなら わたしの首飾りをあげる」
遠くのできごと

洗いたての朝に 沈んだ花の色
誰もみていない隙に 盗む
一番の冷たさで 頬を
染め抜きたい
瞼に冬を映す 獣たちの様に

骨にとおる息を 確かめては放す
草を越えた景色に ひそむ
流れ雲の群れ

両手で飲み干して それでもかなわない
乾いた空に耳を すます
一番の冷たさで 頬を
擦り剥きたい
震えて朝を待ってる 獣たちの様に

わからずに跳んで 泣いていた あの子を探そう
「古い話はそれでおしまいだからさ」
くるまれよう 朝までも いつまでも
少し遠い 永遠に 知らんぷり 息をひそめて

honey honey, you're No.1 blanket in the world

honey honey, you're No.1 blanket in my world 

(music : Hiroki Misawa / words : pippi  )
grapes and horses

8月14日

真夜中、また、屋上で流れ星を2度みた。
両方とも、鈍く光った。

夏休みなのに、なにもしてない、。。。
ずっとわたしのきもちは憂鬱。
ずっと、憂鬱。
ものごとは、わるいようにしかかんがえられない。

こういうときも、どうにかやってくしかしようがない。
食べる気もしないけど、とりあえず食べる。
そうやってやってくしかしようがない、
そのうち元気がでてくるまで、ちからをためるのである、と、よくいわれるように。

ベッドで谷川俊太郎の詩集を読む。

用もなく電話。
ずっと、用のない電話なんてきらい とおもってたのに。

「何食べたの?」
「あんぱん。」
「え」
「あんぱん。」
「あんぱん?」
「あんぱん。 なにか?」
「意外だった。あんぱん・・・」
「なにか?」
「いや」
そういや、わたしはきのうドーナツたべたんだった。

「あつくて、死にそう。」
「死にそうなんやったら、熱中症ちゃうか。」
「え、そうかなあ。。。」
「ちょっと、冷やし。」
「うん。。」
「冷房ないん?」
「あるけど、このごろときどき、つけたりするけど。」

「でも、ちょっと涼しくなってきたからいいかなと。。。。あれー、今わたしの部屋34.4度もある」
「それはちょっとアカン温度とちゃうか。」
「さっきメロンたべたから、涼しくなった気がしてただけかも」
「それはちょっとアカン温度やろ」
「そうなんかな。 でも、あしとか、つめたい。」
「なんでやねん!」

結局ねこさんにたのんで、夕飯につきあってもらえることになった。
ぜんぜんお腹がすいてなかったけど、どこで食べるかさがしてぐるぐるぐるぐる歩き回っていたら、
きゅうにお腹がすいた。
山かけそばをたべた。
ねこさんは、うな丼をたべていた。
ねこさんの大阪弁、鎮静作用がある。
summer holiday

8月13日

真夜中、屋上で流れ星を2度みた。
ひとつは強く光り、ひとつは鈍く光った。

「業務連絡:えり子さんからのオランダみやげがとどいたから、いっしょにあけよう!」
と社長からメール。
夏休みの事務所にふたりで集合。

えり子さんのえらんでくださった、9色のマカロン、色とりどりの天然石。
社長のお誕生日プレゼントに、かわいいブラウス。
わたしに、ふるい刺繍の布、みどりいろの縞瑪瑙(だと思う)。
えり子さん、ありがとうございます。
これでなにか、よいものをつくることができますように。

社長は龍くんのシャツをつくるために、黒い麻の布をきりとっている。
夏の夜。
冷房を切ったり入れたりしながら、
わたしは資料の雑誌をつらつらとながめて、会社の中でなつやすみ。
ああ、ここ、おちつくなあ・・・
としみじみ。
skirt, leggings, 4 pairs of socks & 26.5cm

8月12日

ベランダに日よけのスクリーンをつるしてから、
植物たちがことごとく徒長している。
ミントは鉢からだらりとたれて、地を這っている。
多肉植物たちも、葉と葉のあいだの茎をのばし、ちょっとでも太陽にちかづこうとしている。
葉のいろが、みんなうすくなってきた。
のびきったミントを摘む。

社長とうちあわせにこられたお得意さんのしろいシャツのせなかに、
何かわからない、大きな四角い枠みたいなかたちの、濃い黄色のしみがついているのを
社長が発見。
業務柄、洗剤やアイロンのおいてある職場なので、おもわず
「アリエール、ありますけど、、あらいますか。」と言ってしまい、
ごしごしと洗濯したり、びしょびしょのシャツにアイロンをあてたりするしごとが間にはさまった。
(洗濯機がないので脱水はできないのだった)

「ピーコさんもこんどの東京、こられますよね。」
「あ、いきます」
「旅費、だしますんで。」

シャツをあらったせいだろうか。。。。(まさかね)
と、あとで社長とにがわらいした。
at 19:00 , Osaka City

2011年8月13日土曜日

8月11日

violet note (2011)

I wanna braid your hair
And we'll make our carpet
All I wanna do is to braid your hair
All I wanna do is to braid your hair


It maybe red, red as blood
among the shiny green flood
Or maybe white as bone
after the yellow wind has gone


And when you draw a violet arc
we will be floating on a silver river
through your window
through my window.

わたしは あなたのかみのけを あみたい
それで カーペットをつくる
そのいろは みどりにひかるこうずいのなかの
ちのような あか だろうか
きいろいかぜがふいたあとの
ほねのような しろ だろうか
やがて あなたが むらさきいろの 弧 をえがくとき
わたしたちは ぎんのかわのうえにうかんでいるだろう
あなたのへやの まどをぬけて
わたしのへやの まどをぬけて


(music & words: pippi )

8月10日

朝、東京からのお客さまと、社長と、スターバックスで待ち合わせ。
図案の展示会へ。
こういうものをみるのは初めて。
ラックにずらりとならんだプリント生地をどんどんどんどんみていく。
図柄をみているうちに、「ああああ、絵が描きたい」と、胸がきゅうきゅうしてくる。
きゅうきゅうしていたら、
「ピーコー!こっちきてー!」と社長によばれ、
紙に描かれた手描きの図案のファイルを3人でつぎつぎにみていく。
アンティークの図案とか、ふだんはみられないようなものがいろいろ。
昔はこんなふうに、柄を描いていたんだな。

見終わって、お客さまが購入される柄をしぼっていく。
10以上ピックアップされていたなかから、1つにしぼりこんだ。
こういうときの社長の判断の早さやタイミングの妙にほれぼれする。
お客さま、いい柄がえらべたとおもう。

わたしの不眠は治りかけ。
one-piece, leggings, 3 pairs of socks & 26.5cm

8月9日

休みの日。
社長から電話。
「ピーコ、たいへんー。お客さんが。」
「えっと、えっと。それはどうしたらいいんだっけ・・・」
家のパソコンをひらいて、社長と電話をしながら手続きをした。
「社長、わたし、あとで出勤していい?出勤します。家の夕飯つくってから」

まり姉(姉じゃないけど)と電話。
まり姉「ピーコさんとは、調子の波がよく一致してるよね。」
わたし「うんうん、そうだね」
まり姉「わたしはね、もう、『負けましたー』って投げ出したら、ちょっと楽になった」
わたし「あ、わかる。わたしもおなじこと思ってやってたの、昨日」

心のなかに、解決したはずのものごとが大波たててやってくるのって、わりにつらい。
越えられたって思ってたときは、それがもう一度やってくるなんて、思いもしていないから。
「ゆきつもどりつしながら、いくんだよね」

まり姉にもおなじことが起こっているなら、きっとこれは必要なことなんだな、わたしにとっても。
そうだよね。
girls' talk

8月8日

夜中、
あんまりないてたら、明日目がはれるわ。
とおもって泣くのをやめた。
マイ湯たんぽをもって出勤。
湯たんぽは、イギリスのお友達からのプレゼント。
青いゴム製で、プラスチックの栓がついてる。
蘭子、ありがとう。

いろいろなおしゃべりをしながら、社長はさくさく、さくさく、仕事をこなしていく。
わたしは、初心者むけのエクセルの本をみながら、もたもたと先月の収支表をつくったり、
じぶんが担当している会社の活動についてのfacebookのページを作っていったり。

湯たんぽをひざにのせていたら、血のでてるところに皮膚ができるみたいな気がする。
blowing

2011年8月9日火曜日

8月7日

京都の夏は、たしかに、うだっている。
わたしの背中にも、つうーっと汗がたれていく。
できるだけ日陰をえらんで、歩いて行く。

松本尚の個展をみに。
彼女とは、高校3年生で出会った。
以来、ぴったりとくっついて、あの、ややこしさにまみれた大学4年間をすごした。
ぴったりくっつきすぎたから、わたしの弱点をすべて知ってしまったようなひと。
と、少なくともわたしだけは、そう思ってる。

わたしは彼女の作品にいつも胸をえぐられていて、
でも、あまりそのことは言えなくて、
そのせいで、たぶん、彼女の作品に対するわたしの気持ちはあまり伝わっていなかった、
かもしれない。

きょうは、伝わったかしら。


彼女の作品への気持ちを冷静にぶつけながらカメラにおさめているような感じの女の子がいて、
話をしたら、なんとなく息があってしまった。
いっしょにごはんを食べたりしているうちに、魅力的に風変わりな彼女のようすをどんどん好きになってしまう。
おもしろいひとだ、とてもおもしろいひとだ、こんなひといない。
その場にいる誰もがそう思ってしまうようなひと、ユナちゃん。

すこし酔っぱらった帰り道、
電車の中で、またもつるつるつるつる涙がたれる。
もう、でるだけでたらいいわ。

ああああ、まいったな。
& rabbit rabbit.

8月6日

「あ 浴衣や。」
「うん」

「あ 交野も浴衣や。あれ 龍くんも浴衣やん。」
「うん 約束してたから」
「約束してたんや」
「うん」

「あれー ねこさん、なんで普通のかっこしてんの。俺もそんなんがよかったわー、
 暑っついねん!」
「あーほんまや、ねこさん、浴衣ちゃうやん」
「浴衣って、知らんかってん」
「ねこさんには言ってなかってん。暑いからむりやろうと思って」
「そうやなー 浴衣着てたら、たぶんいまごろ うぇぇ〜っ、なってるなあ」

うちの屋上からむこうのほうの空に毎年みえる花火をみた。
ちょうど西風がふいて、今年はよくみえた。

音って秒速どのくらい?350mとか?
温度によってかわる。・・・今だったら340mから350mの間かな。
去年は、雨がぽつぽつ降ってたよね。雷も鳴ってたし。
あのとき誰々がこんなこと言って。
あいつ、おおげさやねん。
あんな形のは、今年はじめてみるよねー
あれ、ぜったい、ヴィクティムやって!
ヴィクティムって凄い名前
今年の色は、ちょっと青みがかってる気がする
ぜったい、青い系の色をあたらしく見つけたんやわ
スミレいろがきれい
なんか、すずしくなったね
風があるね
あ これ好き
これ いいね

屋上に生ったいちぢくをみんなで分け合って食べた。
ぶらぶらと駅まで歩いて見送った。
龍くんは、下駄をはいた足を痛がっていた。


夜にメールをしていたら、とてつもなくかなしさがこみあげてきて、
どうしようもなくなった。
「なにがかなしい?」
「ちょっと待って かんがえるから」
「はいはい」
よくかんがえて、とりつくろわないで、はなしていたら、ちょっとずつおちついてきた。
それで、すこし、すくわれた。
rabbit rabbit

2011年8月8日月曜日

8月5日

たくさんたくさん、雨が降った。

ひとがひとりいなくなってますます、
毎日毎瞬、
今しかない、ということが大事すぎる。
大事すぎて、大事にできてない。

今しかないからいとおしいけど、
今しかないのが、なにかさみしい。
ずっとじゃない、のはきもちがいいけど、
ずっとじゃない、ということに胸が痛む。
あらゆることが。
あらゆることで。
つるつるつるつる涙がたれる。

こういう日記を書くのがとてもむつかしくて、
この数日、日記を書かずにほっぽったまま。
that spring

8月4日

湯たんぽをかかえて、空があかるくなっていくのをみていた。
鳥がなきはじめる。
脚の冷えがまだとれなくて痛いので、湯たんぽのお湯をバケツにはって、足湯をした。

本屋さんでエクセルの本を買って出勤。
この歳ではじめておぼえることが山盛り。
社長が湯たんぽをかしてくれたので、仕事ちゅうずっと湯たんぽを膝にのせていたら、
いたみがとても和らいできた。

それにしても、ああ、なんて、仕事にすくわれているんだろ。
あかねがメールで言ってた。
「こんな夏になるとはね。」
ほんとうに。
こんな夏になるとはね。

眠れなくなった組のねこさんと、このところ毎晩メールしている。
when we can not sleep,

8月3日

(夜になるとからだが冷えて痛くてねむれないので、)
湯たんぽをいれて(からだじゅうにあてて)る。
という話をしたら
ねこさんが「えー 湯たんぽー?」と非常におどろいていた。
まあ そうだよね。
the nursing home

8月2日

昨夜やっぱりねむられず、みのりちゃんとチャットでよふけまで話をしていたのだけれど、
話の余韻がこころのなかで尻尾をながくし、またねむられず。

洗濯と掃除と植物の水やりをしているとこころに空白ができるので、
とても時間をかけて、それらをつづける。
ワイヤープランツはすっかり元気に葉っぱをしげらせている。

ゆうがた、ついに思い立って、髪を切りにいく。
いつもわたしの髪を切ってくれていたひとは、この不景気でリストラされてしまったのだけど、
その、いつもの店へいく。
しらない男のひとにむかえられ、「こんな感じ?」とカタログをしめされる。
髪がちゃいろくて、うねうねふわふわしたヘアスタイルの人がいっぱい。
「いや あんまりそういうかわいい感じじゃないのがいいです」と答えたら失笑され、
何をいってんだろ わたし と後悔した。

卑屈ですねえ あなた。(自分にむかって)
思うだけならまだしも、口にするなんて。
と思って腹立たしいのだ。
そういう自分は、もういなかったはずなのにな。
もうちょっと、自分にやさしくできたはずなのにな。

こういう心のうごき自体がなんだかへん、このごろずっとへんだよね、自分。
と、
うだうだうだうだとかんがえるうちに、
髪を洗ったり切ったり乾かしたりまた洗って乾かしたり が終わった。

さっぱりした。
すくなくとも、あのまま伸ばしつづけていたより、ずっとずっと、さっぱりした。
foggy upside down 2

8月1日

なかなかねむられず。
コーヒーで目をさまして、出勤。

東京出張からかえってきたゆりちゃん、広島から大阪へ越してきた りょうこちゃんと、社長とでランチ。
いつものヴェトナム料理屋さん、あいかわらず、空いてる。

営業をおえてもどってきたゆりちゃん、ますますいきいきしていて、力がみなぎってる。
みなぎってるけど、ほどよく抜けてる。
いいかんじ。

りょうこちゃんは、小さいお子さんをうまーく育てながら、うまーくお仕事をしている。
時間とエネルギーのつかいかたが、とてもじょうず。
からだも、健康的なうつくしさでいっぱい。
いいかんじ。

ふたりとも、声のはりぐあいとか、のびぐあいがとても似ていて、
ひびきが合ってる。
いいかんじ。

ひょっとして、なんとなくあんまりいいかんじじゃないのって、わたしだけ・・・?
という遠くのすこしの曇りごころは無視して、
事務所にもどってゆりちゃんとちょっとした打ち合わせをしていたら、
勝手にきもちがあかるくなっていった。
「なんだか、ここにくると、チームの一員っていう感じになれて、こころづよい」とゆりちゃん。
うんうん、わたしもだよ。
on the way to the supermarket

7月31日

朔月、新月、
月のもの、っていう言い方は好きじゃないけれど、そうなってしまったのでしかたない。
なんというか、気があたまから抜き取られるような、くらくら感。

故人のだいすきだった音楽家のライヴがひらかれるということで、
あきらとあかねのきょうだいそれぞれからお知らせをいただく。
なんとかしていきたいものだ、と思うのだけれど、
起きて座っているだけの努力で精一杯。
夕方、あきらめてベッドにはいった。
おさそいいただいたそれぞれに、ごめんなさいとつたえる。
せつない。

あきらからメール。
「いま、うちに泊まってる女子も3人中2人が女の子の日。満月?」
しばらくして
「あ 新月やったわ」
ゆかちゃんからメール。
「わたしもはじまってしまいました。」

この2日、ふだん着ない服をきて、ストッキングやヒールの靴など履いて、泣いてばかりしていたから、
とても冷えていたのだろう、お腹のいたさが4割増し。
湯たんぽをおなかにあてて、じっとする。
せつない。
  foggy upside down 1