3時頃、やっぱり少しだけ眠ったほうがいいのでは、ということになって眠る。
嵐が来ていて、びゅううびゅううばしゃんばっしゃんという壮大な音がする。
5時に目覚ましが鳴り、全員どんよりした感じで起き出す。
迎えの車がやってきて、あっけなくはなちゃんを見送る。
徹夜で制作していた田口くんも出てきた。
「見送ってしまうと、『行ってしまった感』が強まるなあ」
「部屋ががらんとしてるなあ」とぼんやりと言い合い、もう一度眠った。
起きると、さらに声が出なくなっていて、出そうとすると変に大きな声と囁き声が、とぎれとぎれに出て来る。
皆心配するけど、私はわりに平気。
「もしもこのまま、声が出ないひとになったらどうしようかなあって考えてた。筆談するか、手話にするか」
「手話って、国によって違うんでしょう?」
「うん、それにさ、もし私だけが手話で話しても、皆意味わかんないね」
「そっか、僕らも手話を覚えないといけないんだ」
「ふふ、まあ、治るでしょう」
「まあ、治るんだけどね」
「治ってさ、なんか良い声、すっごい周波数の声にかわったりしてね」
「ホーミーみたいな? 笑」
「それで、ひとの病気が治せる、とか 笑」
「治ってさ、なんか良い声、すっごい周波数の声にかわったりしてね」
「ホーミーみたいな? 笑」
「それで、ひとの病気が治せる、とか 笑」
はなちゃんがいなくなって、さみしい気持ちの私たちなのだが、
みんなで遅い朝ご飯をたべるので楽しい気持ちもまじってくる。
嵐は去って、すっきりとした空気とあかるい日差しの入ってくる部屋。
なんとなしに、みんな、変わり目をむかえているみたいな気がするね と言い合った。
晴れてあたたかくなった日だまりのなか、壊れた傘を持ち、レインブーツで帰る。
ちかごろタロットカードのことをすこしずつ調べている。
そのなかで“The Fool's journey”という概念(概念っていうんだろうか)に出会って、
これはとてもいいなあと思ったので、ブログのタイトルに使わせてもらった。
また気持ちがかわったら、変えるかもしれないけれど。
夜、ついに声がでなくなり、咳がいっぱい出る。だけど、わりに平気。
咳が出るのがだいじな気がするので、出しておく。