ろくろう君夫妻から年賀状がきている。
鳥の絵と、はっぱのシール、それから、なにかとても、不思議な絵。
黒のほそい線で描かれている。
なんだろう、夢のなかの話のような、
よくわからないけどひとには言っちゃいけない、内緒話なんだな、という感じ。
ふしぎだから、ろくろう君にメッセージをおくってたずねてみた。
わたし 「あの不思議な絵がとても気になって、メッセージをおくってしまいました」
ろくろう君「じつは、ピーコにもらった年賀状に触発されて、二人で一緒に絵を描いてん。
伝わるもんなんやなあ。うれしいわ。」
なにか、黄色い温かい感じが、胸のおくのほうから、じわーっとしみでてきて、
体中をとりかこんでくる。
ろくろう君夫妻とはめったに会わない。
けれど、そんなふうにがつーんと、心と心で握手するようなことが、ごくたまに、おこる。
わたしはときどき、去年の春の展覧会をみてくれたろくろう君が、
握手しよう、と手を差し出してくれたことをおもいだす。
おもいだすとやっぱり、なにか、黄色い温かい感じが、じわーっと出てくる。