2011年9月6日火曜日

2011年9月3日土曜日

9月1日

お客さんからの急な依頼があり、夕方、船場センタービルに走る。
わたし「センタービルの、何号館?」
社長 「4号館より、向こう!」
わたし「4号館って、西?東?」
社長 「堺筋から西!」

外に出た途端にどしゃぶり。
道路が川のよう。
ずぶぬれて駆け込んだコンビニで、店員さんに同情の声をかけられながら傘を買う。

センタービルの中に入るのは、はじめてなのだ。
既にシャッターを閉め始めた店舗もある。
ああ みつからなかったらこまるなあと、脈拍がはやくなる。
あと10分で閉館、というときに、赤い綿の生地がさっと目に入って、
奥で新聞を読んでいたおじいさんに声をかけた。

わたし「(生地の見本をみせて)この生地の地の色とおなじような赤の色の、綿の生地をさがしてるんですけど」
店主 「・・・・・これとおなじプリントさがしてんの?」
わたし「プリントじゃなくて、地の色と同じような色の無地のをさがしてるんです」
店主 「・・・・・この色は、特殊な色やで。こんな色のは、無いで。
    倉庫にやったら、あるかもしれんけどな。明日やったら、出せるけどな。」

(「特殊な色」。そのとおりです。
これは、さっきまでずーっと色合わせに苦労していた、赤のプリント生地なんだもの。
赤をパントーンに合わせて生地にプリントするの、すごくむつかしかったんだもの。)

わたし「お客さんの依頼で、きょう中に要るんです」
店主 「・・・・・ここにある分で、あんたが、ええと思うようなやつが、あったら、それにしい。」

おじいさん、聴こえてないのかな と思うくらいの間が空いてから返事をしてくれる。
なんだかはらはらする。

このへんかな、とさがしていたら
店主 「これが、いちばん、近い色やと思うで。これが合わへんかったら、もう、無い。」
わたし「(うっ 全然ちがう おじいさん、ひょっとして、目が・・むにゃむにゃ・・)
    うーん、ちょっとこれは、むらさきですね。」
店主 「・・・・・そうか。ほんなら、あんたが、納得するやつがあったら、それにし。」
わたし「はい。・・・・・ごめんなさい、こっちにします」
店主 「・・・・・これか?・・・・・・これが、あんたの、イメージに合うんか?」
わたし「はい。これをください」
店主 「・・・・・これ、どうすんの。なんかの、敷きもんに、すんの?」
わたし「中国に送るんです」
店主 「・・・・・中国に、送んの。たいへんやな。」
わたし「領収書、ください。」
店主 「・・・・・領収書、要んの。」
わたし「はい。」
店主 「・・・・・お名前は、どうすんの。」
わたし「空けといてください。」
店主 「・・・・・空けとくの。」
わたし「はい。」

だんだんおじいさんのテンポがツボにはまってきた。
いい人だったな。
ほんとにこの生地でよかったんだろうか、と心配しながら会社に帰った。

きょうから、9月。
痩せつつあるので、たくさん食べた。
すこし、地に足がおりてくるといいとおもう。
september

8月31日

きょうで8月も終わり。
きびしかった夏のあいだ、覆いをかけていたベランダにおかれた鉢植えたちのぐあいが、
かんばしくない。
とくに夏ばての様相をしめしているのが、クリスマスローズ。
こんどの冬は、咲くだろうかと心配。

8月はとぶようにすぎさってしまった。
てのひらをするすると抜けていって、なにものこらないような、へんなかんじ。
のこらないのが、よいような。
のこらないのが、不安なような。
どこへいくんだろう。
black hole

8月30日

また、ぐったり寝ていた。
すぐ疲れるので、いろんなことができないからだである。
いつも、人とくらべてなさけなくなっていたけど、
このごろ、もういいやと思う。
なげやりさと受容とが5分5分ぐらい。
burning mountain

8月29日

社長がさきにかえってから、ミシンがけのしごとをした。
ミシンをかけているとき、なにもかんがえていなくて、きもちがいい。
dying star

8月28日

ふとじぶんの指をみると、小指に嵌まっている指輪がとても鬱陶しいものに見えた。
いつから嵌めていたのだかおもいだせないけれど、
なんとなく、しみついている記憶がいやな感じがして、
(指輪に記憶がしみつくということがあるかどうかしらないけれど)
抜いて、ごみ箱にぽいと捨てた。

捨てると、惜しくもなんともなくてあっさりした気持ちだった。
抜いたあと、そこだけ指が痩せていた。
violet lake

8月27日

またぐったりと寝ていた。
はげしい雨の音と、雷の音をきいていると、こころがしーんとしずまった。
あれからひと月になる。
after 1 month