雑誌を読んでいたら、「大島弓子の漫画には死と食べ物が描かれている」と言っているお菓子研究家のひとのはなしがあって、うんうんと思った。
「ノルウェイの森」だと、ミドリちゃんがワタナベくんに「ポルノ映画に連れてって」と言うところだけれど、大島弓子では、そんなふうにはけっしてならない。
川原泉の漫画だともっともっとたくさんのたべものが描かれていて、少女達は袋入りのまんじゅうやあんまんを片手に握り、胃のやすむまもないかと思われるほどにいつでも「もぎゅもぎゅ」している。
はみだしていて、ニヒルでひねくれているんだけど、いつでも「喰うか?」とあんまんをさしだしてくれる、こころ優しき少女たちだ。