トートバッグを3つ縫って納品しなければならない日。
プリントした生地にちょっとした不具合がでている。
プリント生地の不具合の修正をしてほしいといわれる。
プリンターの調子がおかしくなっている。
お盆期間なので、修理のひとがなかなかこられない日。
ぶあつい帆布を縫えば縫うほど、おかしなことになっていく。
ほどけばほどくほど、端がほつけて縫えなくなっていく。
社長 「わたし不器用だからさー。ピーコも不器用でしょ」
わたし「うん。不器用」
社長 「ミシン仕事なんて、やるもんじゃないよねー。作るのは好きだからよく作るけど、
作るっていうのと、縫うのが上手っていうのは別だと思うのよ」
それ、よくわかる。
まわりにいる、物作りのすきな面々をおもいうかべても、なんとなくわかる。
だが、そんなこんなで。
結局、社長に力をかりて、なんとか成し終えた。
分厚すぎるところは、ロックミシンをかけてちょっとでも薄く。
縫えないほど分厚いところは、もう、縫わない。。。
プリンターのインクもなくなりそうで、残りの生地もぎりぎりだったけど、
なんとか、必要な修正もできた。
社長 「奮起してん。ピーコパワーだと思うわー」
わたし「あ、それって、わたしに頼れないっていうのがわかったから?笑」
社長 「うん、そう 笑」
わたし「もう、自分がやるしかない、って思って?笑」
社長 「そう。笑」
わたし「笑」
社長が縫っている様子をみて、わたしも知恵をつけ、
最初よりはずいぶんましなのが縫えた。
アイロンをあてて成形して、
それぞれに詰め物をいれて、
「製品ぽい〜!」
「きれ〜!」
きりきりになっていた神経がほどけた。
わたしは昼ごはんをたべるのを忘れていて、
夜にてりやき麩のちいさいおべんとうをたべた。
とてもおいしかった。