わたしの背中にも、つうーっと汗がたれていく。
できるだけ日陰をえらんで、歩いて行く。
松本尚の個展をみに。
彼女とは、高校3年生で出会った。
以来、ぴったりとくっついて、あの、ややこしさにまみれた大学4年間をすごした。
ぴったりくっつきすぎたから、わたしの弱点をすべて知ってしまったようなひと。
と、少なくともわたしだけは、そう思ってる。
わたしは彼女の作品にいつも胸をえぐられていて、
でも、あまりそのことは言えなくて、
そのせいで、たぶん、彼女の作品に対するわたしの気持ちはあまり伝わっていなかった、
かもしれない。
きょうは、伝わったかしら。
彼女の作品への気持ちを冷静にぶつけながらカメラにおさめているような感じの女の子がいて、
話をしたら、なんとなく息があってしまった。
いっしょにごはんを食べたりしているうちに、魅力的に風変わりな彼女のようすをどんどん好きになってしまう。
おもしろいひとだ、とてもおもしろいひとだ、こんなひといない。
その場にいる誰もがそう思ってしまうようなひと、ユナちゃん。
すこし酔っぱらった帰り道、
電車の中で、またもつるつるつるつる涙がたれる。
もう、でるだけでたらいいわ。
ああああ、まいったな。