2011年7月30日土曜日

7月30日

電車の中でメール。
わたし 「おはよう。京都行きの電車なう」
ねこさん「同じく。もうすぐ京都うぃる」
わたし 「あ わたし高槻なう・・・」
昨日、ぼーっとしてサキ兄とまみこさんについていったので、じつは場所をおぼえてない。
ねこさんに改札で待っていてもらった。
サキ兄とまみこさんも居てくれていた。
妙にほっとする。

雨がとつぜんざあざあ降りになったり、急にかんかん照りになったり。
昨日もこんなだった。

「行ってしまったね・・・」と、車を見送ってからほうけた顔の面々。
「ラーメン食べにいかへん?」と言い出す柳田。
「食いにいくのはいいけど、ラーメンはなあ・・・」と、サキ兄たち。
あさみちゃんが、ラーメンもラーメン以外もたべられる、
ちょうどよいお店をみつけてくれた。
入ったら、
「なんかラーメン食べたくなってきたな」と、あさみちゃんもナツトくんもサキ兄もまみこさんもねこさんも、
みんなラーメンを頼んでる。
わたしだけが卵春巻きというものを頼んでしまい、なかなか来ず。
ずるずるとラーメンをすする柳田から「アンタ、周回遅れ。」といじめられる。
たしかに、わたしの人生って、なにやら周回遅れの感じがある。。

「来週からブラジルいくのよ。」という柳田。
「ちょうど良かったね」と返す。
「ほんとよ、もう、こんな状態のままで日本に居られへんわよ」
旅行前にやっておく仕事があるといって、先に電車に乗って帰って行った。

各駅停車で座って帰る。
とちゅうで大雨が降って来たり、からからに照ったりする。

大阪について、お茶でも飲もうか、ということになる。
どこも混んでいて、外のテラスでコーヒーを飲んでいたら、
しばらくして雨がぽつりぽつり。大粒。
そのまま様子をみていたら、ざあざあ降りになった。
屋根の下で、雨をみながら、立って飲む。

わたし 「なんか、ぼーっとする」
ねこさん「なんか、ぼーっとするよなあ」
雨がやんできて、うすく曇った空気の中を、ふたりとも、ぼーっと歩いて、
肩をたたいて、わかれた。
road

7月29日

あきら、あかね、ゆかちゃん、柳田、
サキ兄、まみこさん、さえ子さん、ゆうこちん、
ねこさん、えみちゃん、ナツトくん、チサトちゃん、のんちゃん。。。。
いつものみんなが集まっている。

みどりちゃんから「同じ時間にライブなの。祈りながら演奏するわ」とメール。

いつものみんなが集まってるけど、
黒い服を着たり、泣きはらした目をしたりしていて、それでお酒をのんだり、お漬け物をたべたり、している。
「全然わからない。」と言いあっている。
ふざけあって笑える時間と、涙を流す時間とが、一緒に、ばらばらに、やってくる。

「嘘っぽすぎる。なにもかも。体をみても、嘘にしかみえない」
とチサトちゃんに訴えたら、チサトちゃんが
「そうやねん。遺体がな、遺体すぎるねん。」と言う。
笑い泣く。

横浜で仕事中だった伊集院くんがあとからやってきて、もういちど一緒に棺へむかう。
柳田が「ああ〜、もう〜っ!!」とわたしの肩をぶって、離れていく。

「ねえ、ヒールのある靴を履く日がきてしまったよ。」と伊集院くんに言う。
「ほんまや。。。ヒールって、そういうことやったんかな」
「伊集院くんのせいやわ」
笑い泣く。

酔っぱらってへろへろの柳田に腕をつかまれて、ねこさんと3人で大阪へ帰る、
各駅停車で。
電車のなかでおかしなことを言ったり、知らないひとに手を振ってしまったりしている柳田。
相当呑んだ、というか、呑まれたんだな。

眠り始めた柳田が、わたしの反対側に座っている女性に倒れかかりそうなので、
必死に腕をつかんで揺り戻すのだが、何度でもむこうへ倒れ込んでいく。
両腕で柳田の左腕をつかんで引っ張っているのに。
重い。
ついに女性が席を立っていったので、
「あっちがわの壁にもたれて寝たら」とすすめて、柳田を離した。
寝ぼけて「さようなら〜」とひらひら手をふる柳田。

ねこさんは最初から、どこにも倒れずに眠っている。
柳田を離したら、どんどん寒くなって、こごえて、わたしはちっとも眠れない。
寒い寒い電車。
眠るおとこと、眠るおかまの間で。
pale blue

7月28日

やすみ。母とともに。
このところ、母ととても仲がよく、昔をおもうと嘘のよう。
母とふたりで家で昼ご飯をたべる、その昼ごはんがいつもおいしい。
そうめんと、いためものを食べて満足して部屋にもどると、
みどりちゃんからメールがきていた。
知らない人の、よく分からない話のような気がした。

サキ兄(兄ではないけど)に電話。
わたし「どうしたらいいんだろうと思って」
サキ兄「どうしようも無いねんけどな・・」
そうだそのとおりだ、わたしは何を聞きたかったのか。

みどりちゃんに電話。体がふるえてとまらない。
「わたしはこれから東京に行ってライブしなくちゃいけなくて、なんだかわたしももう何もわからないんだけど、
でも、私たちは今の、生きてる今日を大事にしようね。
帰って来たら、ゆっくり会おうね」
とみどりちゃんが言う。
そうだそのとおりだ。うん、うん、と言って切る。

何人かのひとに電話をかける。
どの人も、急に耳が遠くなったみたいなかんじで、何度も何度も、聞き返してくる。

なかでもいちばんのショックを受けているにちがいない、あの人やあの人が、
どんな様子で今いるのだろうか ということばかり思う。
ふるえてふるえて、とまらない。
みんな、どうなってしまうの?

台湾に居るみのりちゃんとスカイプで話ができたそのあいだ、ふるえがとまった。

きょう返さなくてはいけなかったルイ・マルの奇妙な映画を観てまぎらす。
夕方、ゆかちゃんに電話して「どうしてる?」とたずねると、
何人かで集まっていると。
仕事も何も手につかなかったから、と。
電話で一緒に少し泣いたら、そのあいだだけ落ち着く。
今日ほど、だれかと会いたいとおもったこと、なかったかもしれない。

夜、DVDを返しにいった帰り道、ねこさんからメール。
とりあえずお風呂にはいってしまう。
そして、ねこさんが近所まで自転車でやってきた、そんなことは今までにない。
ぬるい夜。自転車をこいで、国道ぞいの店に入る。
グラスビールをのんだ。
わたしは2杯、ねこさん3杯。
店を出て、サキ兄からのメールに返信しているあいだに、
背中のうしろでねこさんが泣きはじめて、
わたしもちょっとだけ泣いたけど、
メールに返信中だったので泣きそびれたようなふうになった。

自転車を押して歩きながらぼんやりして、
最後にちょっとだけ一緒に泣いて、肩をたたきあってわかれた。
yasou

7月27日

ぐあいがわるくて、めまいがしたりする。
なんだかよくわからないけど、PMSかな、などと思ってすこし家で休憩し、
ふわーっとしながら出勤。
社長は仕事がものすごく混んでいて、あたふたしていた。
まみこさんもわたしも、それぞれに口数すくなく、それぞれの仕事にとりくむ。

帰って、足湯などしてからだをあたためる。
night flower 6

7月26日

うちの近所に、少しどうしようもないかんじのレンタルビデオ屋があり、
その店の商品棚には「アカサタナ」別とか「国籍」別とか「監督」別などの分類が一切なくて、
そして、ものの配置がしょっちゅうかわるので、
行く度に端から端まで舐めまわす様にみていかないと、借りたいものがみつからない。
そして、目立つ所にならんでいるのがいつも、ポルノじゃないけどポルノみたいなジャケットのものばかりである。
その店に久しぶりに行ったらなぜかあたらしく「ファニーとアレクサンデル」が置いてあるのをみつけて、
借りて、観た。

そう、子ども時代って、変な事、おかしな事、このうえもない恐怖の時間と、転げ笑うような笑いの渦や、平和で穏やかな時間が渾然一体となっている。

このところずっと、夜のなかにいるような、なんとなくへんな日々。
それなりにやりすごしてやってくしかないな、と思いつつ。
night flower 5

7月25日

なくしたピアスのことがまださみしい。

夜、ベルリンからすこしのあいだだけ帰ってきているトモコちゃんと三宅くんに会いに行く。
インターネットでお店の場所をしらべて地図をプリントアウトして、
大阪から一乗寺まで電車に乗った。
一乗寺で降りてしばらく歩きながら、ふと、
ほんとうにここでいいのかな
という疑問がよぎり、よくよく持って来た地図を眺めたら、
別のお店へ向かってきてしまったことにきづく。。。。
タクシーに乗って、ただしい方角へ連れて行ってもらった。

このところ、だいじなものをなくすし、だいじなものをおきわすれるし、
まちがったところへいってしまうし。なんだかな。。。。

とおもいながら、お店へつけば、なつかしいたのしい人達が集まっているものだから、
すっかりたのしくなってしまった。

ずっと会っていなかったけれど、トモコちゃんと三宅くんのふたりの雰囲気がなんにも変わっていなくて、
いままでの間にあったはずの時間がすっぽり切りとられてどこかへ行ったみたいなかんじがした。

マヤ暦ではきょうでひとつの年が終わるんだよね、
じゃあきょうは大晦日?
あしたはナツトくんの誕生日だね、
じゃああしたはハッピーニューイヤー?
そんな話をしていた。
night flower 4

2011年7月28日木曜日

7月24日

柳田 「なんかレズビアンの子にすすめられて観たけど、すんごく良かったわよ、もうアタシ感動して。
観た方がいいわよ」
あきら「感動した。でも、なんか、ふつうの男はちょっと無理なとこもあるかも。
女のひとの、なんていうか、凄さがものすごい出てるから。出産のシーンとか」

と、周りで観に行ったという男性がゲイばかりだったので、
男のひとなんて全然いないんだろうなと思って行ったら、意外にもカップルで観にきている人たちがちらほらあったのでおどろいた。

「玄牝」と書いて「げんぴん」と読む映画を、と、あかね(あきらの姉)と、あやねと、もえこさんと、かなめさんとで観に行ったのだ。

あやね「かなめさんと、自然分娩の映画を一緒に観る日がくるとは思ってなかったわー(笑)」

たしかに。なぜこのメンバーで、自然分娩の映画を一緒に観に来ているのだろうか、
自然分娩の映画を。

この映画は、その世界ではとても有名な医院での出産をテーマにしたドキュメンタリー作品で、
これまでいろいろに偏った評を目にすることがあった。
今日この映画を観に来たのは、
実際にはどういう作品だったのか確かめておきたかったから、
というのが、いちばんの、わたしにとっての動機だったかもしれない。

結果をのべると、この映画はとても公平な視点からとられているものだと思い、
監督のことを信用するきもちになれた。
「あるものを肯定することで、べつのものを否定しがちになる」人の姿もあり、
その姿はそのままに映し出されていたとおもう。
そして、「あるものを否定」しながらも、その内において、
「死を否定することは、生を否定することである。生は死をも含むものだから」と述べる院長の姿も。


映画では、
病院では「とても危険な状態で、帝王切開以外にすすめられない」と言われた母親が、自然分娩で健康な子どもを産めたというエピソードも語られるし、
もうすぐ産まれるという日にお腹のなかで亡くなった子についての、母親のコメントも扱われる。
最後の最後でほかの病院へ行って帝王切開で産む事にきめた母親の、
自分も子どもも死なずに会えた葛藤と愛情と感謝のからみあったきもちも、扱われる。
もっともっと、ある。

映画のあとにパスタランチをたべ、
あかねのよく行く自然食品屋さんに連れて行ってもらい、(あやねはそこではみがき粉を買っていた)
cosmic wonderのファミリーセールに寄り、
日没ちかくにお茶を飲みに行って、
すっかり休日気分を満たされて、帰った。

あきらに映画をみたことをメールで報告。
あきら「産みながら『きもちいい〜』って言ってた人いたでしょ、あそこでちょっと笑ってしまった。。
どんな感じかわからないから、女の人が羨ましい」
わたし「気持ちいいって言ってる人、居たね。気持ちいいなんてことがあるのかっ?ってびっくりしたよ。
わたしは、自分が将来出産するような気が全然しないし、男でも女でもないような気持ちで観てたかも」
あきら「うんうん、うんうん。」
night flower 4