2011年11月1日火曜日

10月16日

大学の先輩である濱田さんのつくるお洋服のショウをみに、京都へむかった。
今日の日を、ほんとうにたのしみにしていた。

ものをつくるひと、
誠実に、つくることの苦楽とともにくらしてものをつくるひとの仕事をみることほど、
こころの栄養や勇気になるものは、なかなか、ないなあとおもう。

ファッションショウをみるのははじめてだったけど、
こんなに観に行きたかったのはきっと、
洋服を観たかっただけじゃなくて、
濱田さんがそれをどんなふうにみせてくれるのか、
どんなモデルさんをえらんで、どんな調べにのせて、どんなうごきで。
それをすみずみまで味わってみたかったからだ。

秋のはじめの風がふくなかで、
西日がおだやかに照らす庭にならべられた、
白い椅子にすわって待っていた。

ひびくリズムのなかで、とてもとてもゆっくりとあるくモデルさんたちが最初に着ていたのは、
真っ白な服だった。
止まりかけの時間だった。
ときどき吹く風が、透ける生地をもちあげて、時間がうごいているのがわかった。

白いなかに、ひとすじずつ、色があらわれてきて、
もっともっとたくさん、色がうかびあがってきて、
色と光がいっしょになったみたいな、光を着ているみたいな、きれいなひとたちが、
おごそかに、あらわれて、去っていく。
瞬間をぜんぶ、見逃したくないから、息がとまりそうだ。

終わってから、お友達と話していても、まだなんとなくこっちの世界にもどってこられない。
そしてそのまま、夜になった。