2011年11月1日火曜日

10月25日

夜の学校へ行く前に、来年用のあたらしい手帳を買った。
おとというんと考えたけど、
さらに売り場でまた迷いに迷って、考えに考えて、
いったんコーヒーをのんで休憩してから、
やっと、買った。

色は黒。
まさか、黒をえらぶとはおもっていなかったのだけど、
ひさびさに、黒が魅力的な色にみえた。
夜の湖の色を思い出すからかもしれない。

夜の湖の真っ黒な色をはじめてみたとき、とてもいやなきもちがしたのを覚えている。
鏡みたいで、わたしの気持ちをいくらでもうつしだしてうかびあがらせて、
ほらほらほらほら って言ってくるいやな奴みたいに思えた。

だけど、4週間のあいだ、毎晩その色をみているうちに、
その黒が、かぎりなくやさしい色にみえてきた。
朝の白さも、昼の澄んだ青緑色も、くもりの日の灰水色も、
夕焼けのオレンジも、
そのあとのラベンダー色も、
ぜんぶ含んだ、夜の黒の湖の色、なんだよな、
っておもうようになったので。

学校では、型紙どおりに布を切った。
裏地を切るのは、ものすごくむつかしい。
はさみの刃がすべりにすべって、肩がこった。