「プロとして食べていきたいのだったら、自分のやる仕事について、プロとして食べていけるだけの対価をもとめるべきなの」
という社長の話を、
むおー、そうか、そうだ、
そうだ。そうだよね・・・・と思いながら聞き、
そういったことについてまみこさんと社長と3人で話し合いつつ、
ゆりちゃんのページを作っていく作業。
わたしには、画像をつくったり加工したり処理したりということができない。
だから、じぶんの作りたいもののうち自分で作れないものを、龍くんに頼んで作ってもらうのだが、
その龍くんは基本的に事務所とは離れた場所に居るので、スカイプでやりとりをするのが常。
スカイプってふしぎなもの。
もともとわたしは会話っていうものがにがてだから、というのもあるのだけれど、
チャット状態で話をし、相手の言葉に対して自分の考えからそれずにさっと応答して伝え続ける、っていうことを、
とても難しく感じていた。
このごろ、一息おいて考える、っていうことをしようとしている。
このあいだ、スカイプで「画面を共有する」っていうことができるというのを社長から教わったところ。
ちょっと龍くんに相談したくなって、「画面を共有」してもらった。
龍くんからの返事は音声じゃなくてチャットで返ってくる。
わたし「えっと、さっき作ってもらった画像をはめてみたんですけど」
龍くん(チャット状態で)「声が小さくてきこえないです」
わたし「うっ・・・えっとー、さっき作ってもらった画像をー!きこえますか?」
龍くん(チャット状態)「はい」
モニターに向かって声を張り上げて、ひとりでしゃべる。
はずかしい、が、もちろん、そんなこと言ってはいられない。
おかげで龍くんから有意義な意見とアドバイスをもらえて、踏むべきステップがみえてきたかも。
それから、えり子さんとの仕事についての準備。
金曜に話し合いをするのだ。
資料を読んだり、いろいろなものを手に取ってみてみたり。
なにをえり子さんに聞きたいか考える。
わたしが分かっていなかったら、前へすすめない。知っていくための糸口が必要。
オランダにいるえり子さんとの間には、距離も時差もあるので、
夜にスカイプでミーティング、の予定。
仕事がおわってから、まみこさんと石けん屋さんへ。
ラトビアの製法で作られている、とても上質な石けんが、色とりどりに、ずらりずらりとならんでいる、お店。
ぴかぴかに光るような明るさのお店じゃないところが、ラトビア的なイメージだ、
ラトビアに行った事はないけれど。
ここぞとばかり、ならんでいる石けんのほとんどの香りをかいでまわる。
香りってふしぎ。
そこにあるさまざまな香りを嗅ぐと、香りの質のちがいだけで、感情がくるくると変わる。
まみこさんは、とうめいなばら色の、ばらの石けんをえらんでいて、
それがまみこさんにあまりにぴったりなので嬉しくなった。
まるで、ほんものの生のばらの花を嗅ぐような香りだった。
そのあとで、「バスソルトも気になるんだけれど」というまみこさんに、
店員さんがこころよくお試しをさせてくれた、わたしにまで。
隣同士で座って、店員さんに片手ずつさしだして、
角をとってオイルになじませてある塩を、手の甲においてもらった。
塩に、ときどき、ばらの花びらがまじっている。
自分で、ゆびさきにまでなじませたら、あたたかいお湯でながしてもらう。
すると、つめもゆびさきもしっとりとあたたかくやわらかく、ばらの香りにつつまれた手ができあがった。
「なんか、性格までかわりそう・・・」
ここの石けん、香りが良いだけじゃなく、全身につかえて、肌も髪もうるおって、すごくここちよい状態になるので、いちど知ってしまうとちょっとやめられなくなりそうなのだ。
貧乏なわたしは、この石けんがなくなったあと(それはもうすぐ)のことを憂えている。
まみこさんと、ばらの香りの手をときどき嗅ぎながら帰った。
良い香りがするとか、肌がほどよくケアされていたりする状態だと、なんだか自分がいいものになった気がする。
自分がいいものになった気がするって、案外大事なことかも。
なんていうか、自意識とかうぬぼれとは関係なく、
むしろ、自分をなりたたせているものにたいして敬意を払うこと、に近いような。。
ぜいたくっていうのはわかってるけれど、これも一つの方法、という感じ。
っていうことをお風呂に入りながら考えていて、
昼間の社長のあの言葉をまた思い出した。