ぼんやりとしてしまう。
不意に、昨日つくった伝票のまちがいに気がついて、社長にメールしたりする。
生活の変化やこれからの計画に対する心の動きがおおきくて、
ここしばらくは頭から湯気のたつような毎日だったので、
今日はちょっとぼんやりしてしまうことをゆるそうと思った。
夜、伊集院くんの誕生日パーティ。
着いたらまだ準備中で、みどりちゃんの焼いたクッキーを六芒星のかたちにならべるのを少し手伝う。
また、べつの机には、とうめいのゼリーのなかに、銀箔でくるまれた球体の入った和菓子が、
ブルーや黄色やとうめいのアクリル板のうえに乗っかっていた。
そして、おおきい机には、あきらの作ったさまざまなごちそうがならんでいる。
キャンドルがともされて、
みどりちゃんがグラスハープで誕生日の歌を演奏して、
そこへふつうにあらわれて、「えっ なにこれ すごい」と、とくにテンションがかわらないかんじでおどろいている、伊集院くん。
なぜか、全員が列にならんで、ひとりひとり伊集院くんと乾杯した。
みんなでごちそうをいただく。
わたしはワインをひさしぶりに飲んで、酔った。
とうめいなゼリーに閉じ込められた銀色の球体のなかには、こしあんにくるまれた梅の餡が、はいっていた。
甘酸っぱかった。
さて、まわりにいる、くちのわるい(あるいは、ときにくちがわるくなる)ゲイともだちについて。
「何あんた、今日。黒木瞳みたいやん」
「その(靴下をなんまいもかさねたうえにビルケンシュトックのサンダルをはいている)足、
一生そのままなん?一生、ヒール履かれへんの?」
いろいろからかわれる。
ゲイ友とはいえ、男性から女っぽいかっこうやら行動やらを推奨されると、とたんに反抗的な気持ちになるわたし。
お酒のせいもあってか、むくむくと子ども心がわきあがってきて、いじけた気持ちに。
そういう自分がばかばかしすぎておかしくなりつつ、かたや、真剣にいじけて、帰る。
帰るまえに、さえ子さんのうつくしい長い髪をさわって、ちょっと癒された。
帰るまえに、さえ子さんのうつくしい長い髪をさわって、ちょっと癒された。
あきらからメール。「もっと話したいことあったんだけど」
わたし「じゃ、こんどあおうか。きょうは柳田たちにからかわれていじけてんの」
あきら「柳田はいつものことだから、気にするだけ無駄だよー」
わたし「うん 柳田はいっつもいっつも。」
わたしにやさしいゲイ友、あきら。
さて。
伊集院くん、不惑の歳、おめでとう。
すごいことばかりやっているのに、くだらないことばかり言ってる伊集院くんが好きだよ。