このところ、母ととても仲がよく、昔をおもうと嘘のよう。
母とふたりで家で昼ご飯をたべる、その昼ごはんがいつもおいしい。
そうめんと、いためものを食べて満足して部屋にもどると、
みどりちゃんからメールがきていた。
知らない人の、よく分からない話のような気がした。
サキ兄(兄ではないけど)に電話。
わたし「どうしたらいいんだろうと思って」
サキ兄「どうしようも無いねんけどな・・」
そうだそのとおりだ、わたしは何を聞きたかったのか。
みどりちゃんに電話。体がふるえてとまらない。
「わたしはこれから東京に行ってライブしなくちゃいけなくて、なんだかわたしももう何もわからないんだけど、
でも、私たちは今の、生きてる今日を大事にしようね。
帰って来たら、ゆっくり会おうね」
とみどりちゃんが言う。
そうだそのとおりだ。うん、うん、と言って切る。
何人かのひとに電話をかける。
どの人も、急に耳が遠くなったみたいなかんじで、何度も何度も、聞き返してくる。
なかでもいちばんのショックを受けているにちがいない、あの人やあの人が、
どんな様子で今いるのだろうか ということばかり思う。
ふるえてふるえて、とまらない。
みんな、どうなってしまうの?
台湾に居るみのりちゃんとスカイプで話ができたそのあいだ、ふるえがとまった。
きょう返さなくてはいけなかったルイ・マルの奇妙な映画を観てまぎらす。
夕方、ゆかちゃんに電話して「どうしてる?」とたずねると、
何人かで集まっていると。
仕事も何も手につかなかったから、と。
電話で一緒に少し泣いたら、そのあいだだけ落ち着く。
今日ほど、だれかと会いたいとおもったこと、なかったかもしれない。
夜、DVDを返しにいった帰り道、ねこさんからメール。
とりあえずお風呂にはいってしまう。
そして、ねこさんが近所まで自転車でやってきた、そんなことは今までにない。
ぬるい夜。自転車をこいで、国道ぞいの店に入る。
グラスビールをのんだ。
わたしは2杯、ねこさん3杯。
店を出て、サキ兄からのメールに返信しているあいだに、
背中のうしろでねこさんが泣きはじめて、
わたしもちょっとだけ泣いたけど、
メールに返信中だったので泣きそびれたようなふうになった。
自転車を押して歩きながらぼんやりして、
最後にちょっとだけ一緒に泣いて、肩をたたきあってわかれた。