「シホちゃん(私のこと)、起きてたの?しらなかった。咳、なおったの?なおらないの?なんでかなー」
朝ご飯を食べていたら、ツキが私の部屋からアイロンビーズのキットを持ちだしてくる。
「ツキ、あのね、そのアイロンビーズは、誰の?私のでしょ?だからね、もしもこれで遊びたかったら、私に、『これで遊びたい』って言うんだよ。そしたら、かしてあげるからね。わかった?」
ツキ、きまりわるそうな苦笑いをうかべ、声もなく、口を「あ」の字に開けてきいている。
「こんどから、言える?」
ツキ、口を「あ」の形にしたままうなずく。
妹は、もうひとりの妹の家に移動する為の準備を急いでいる。
ツキ「マミー、ねえ、ドコいくの?もう、かえるの?」
妹 「ナオちゃん(もうひとりの妹)の家にいくんだよ」
ツキ「いかない、シホちゃんといる、シホちゃんほしい」
ツキは5歳だけど、日本語での表現はこんなかんじ。
また、「ナオちゃんち」に行くことはわかっていて楽しみにしていたのに、妹に行き先を何度も尋ねているあたり、
心配ごとが多そうにみえる。
しばらくして、兄妹げんか。
原因は、祖母が昨夜アメ(甥、8歳)に与えた古いゲームボーイ。
拗ねたツキ、お気に入りのブランケットをひっさげて寝室へ引っ込み、バタッと布団に倒れ込んだ。
私が様子をみているかどうかをチェックしてから
「ばかシホちゃん!」と叫んでる。
この展開、アメの5歳くらいのときと同じだ、使う言葉も・・・
なので、5分くらい放っておいた。
ツキの様子をみにいくと、目に涙をうかべてふるふると体をこわばらせている。
「アメにゲームとられて、くやしかったの?そう。ナオちゃん家に行ったら、また楽しいこといっぱいあるんじゃないかな」
ちょっとだけ抱っこしてやり、「マミーに髪の毛結んでもらったら?」というと、
むすっとしたまま立ち上がって、のそりのそりと歩いて行く。
アメはその後ツキにゲームボーイをさせてやっていたけれど、
すぐに「ちがうよツキ こうするんだよ」とか言って後ろから操作を手伝おうとするので、
またツキが癇癪を。
アメには悪気はないんだけど、ついつい自分の欲との境目がなくなってしまうようだ。
そういうことってやってしまいがちかも、私たちも、大人になっても、ぜんぜん違うシチュエーションで・・・・。
ツキは駅で別れ際に涙を浮かべながらも、さっくりと妹の手にひかれていったあたり、
きっと今頃はもうひとりの妹の家で楽しみまくっているのにちがいない。
私は彼らが去って、ふたたび静かな時をすごした。
咳をたくさんしたり、息がちゃんとできなかったり、すごく頭が痛いというのはやっぱり快適な状態とは遠く、
いつもよりも疲れやすい。
元気いっぱいにばりばり活動できるなあっていうようにはならない。
よさそうな病院をしらべたので、明日行ってみようと思う。
その一方で、声が出ないといつもよりももっと静かに過ごせるので、
こういう時期が必要だっていうことでもあるのかも?などとも思う。
さわがしい雰囲気を発しているひとやものに対してちょっと敏感になっている感じもする。
体調についてフォーカスすると気持ちがしんどくなるけれど、
あんまりそこにフォーカスしていないから、とくにネガティブにもならず、
ものすごくポジティブにもなるわけでもなく、そのあいだでこまかく揺れつつ、
全体的にはちょうどまんなかっぽい感じ。。
全体的にはちょうどまんなかっぽい感じ。。