ツキ「イタイ〜!
イタカッタ〜!
イタイヨ〜〜〜!!
I want daddy!!!
I want daddy!!!
Daddy!!!!(彼女の父親は今はインドネシアで仕事中)
シホちゃん〜!!(私のこと)
オイデ〜〜〜!!(来てくれの意)」
ツキの額が縦に3センチくらい、ぱかっと裂けていた。
つまづいてコンクリートの壁の角に頭をうちつけたらしい。
近所の総合病院の外科がいいのではという私、
以前にアメ(甥、8歳)がかかったことのある小児科がいいという妹。
縫うような傷は小児科でみてもらえるのかしら、どうかしらと思った私だったが、
断言もできないので、母親である妹の意見にゆだねた。
私は運転ができないので、タクシーを呼び、小児科の予約をとる。
妹と私と交代で、なきわめくツキの額を止血。
妹「あ〜 国際免許、取ってくれば良かった・・・・」
ふたり、出かける。
私は母の職場に電話をして、保険証を探し出した。
妹からsms。「やっぱり小児科では無理だった。総合病院の外科に今からタクシーでむかいます」
この地域のことが全然わからない妹のために、小児科の受付のひとが総合病院の予約をとってくれたり、地図をコピーして渡してくれたりしたそう。
私、保険証を持って自転車で総合病院へ。晴れていてたすかった。
アメが留守番をできるようになってるなんて、なんだかすごく年月がたったような感じがする。
これからは、かれらが来たらすぐに保険証を出して渡しておかねば と思う。
すぐに家に戻って、血でよごれたツキの白いレースのスカートなどを洗濯していると、
もう昼前。
冷蔵庫にあるものをしらべて、タマネギとにんじんと茄子とトマトと烏賊とツナでパスタをつくる。
妹、ツキを連れて戻り、「はぁぁぁぁ〜」といつもの倍くらいのため息。
数針縫ったとのこと。
妹に、リンゴジュースをサイダーで割る。
普段こういうものは私はのまないけれど、なんとなくこういう時はこういうものが飲みたくなる気がした。
私も飲み、おいしかった。
ツキとの会話。
私 「ツキ、きょうはいっぱい泣いたねえ」
ツキ「うん シホちゃん ないたの?」
私 「どんなときに?」
ツキ「イタイとき シホちゃん ないたの?」
私 「泣かないよ。マミーも泣かないでしょ。」
ツキ「マミー ないたよ」
私 「なんで泣いたの?」
ツキ「マミーねえ ダディにおこってねえ ないたの。そしてねえ ダディがねえ おこったの。
そしてねえ アメちゃんが なんか言ったよ」
私 「アメはなんて言ったの?」
ツキ「I can't study! 言ったよ」
私 「ふーむ、そうかー」
騒動のために朝はツキの頭の虱チェックができていなかった。
おちついてから調べたら、卵を2個発見・・・・
午後、私は自分の通院へ。夕方、妹は友人と会う約束があったので出かけた。
夕飯どき、もうひとりの妹がきて、今夜はアメとツキは彼女と一緒に眠っている。
今日は私たち、姉妹3人でたすかった。
ツキはもう、けろっとしている。
日本に来てから、毎日どこかを怪我している彼女。その度に大泣きし、すぐに忘れる。