妹と甥と姪とで2キロ少し先の河口まで歩いた。
アメ(甥、8歳)「日本なのに、暑い!」
私 「日本も暑いときがあるんだよ。もうすぐ夏が来るしね」
アメ「いつくるの?明日?」
お弁当を食べる間、川べりを通る強い風におびえるアメとツキ。
風が強く吹くのは嵐の来る前兆だと思っているらしい。
たしかに、この大きな川の河口では急に視界がひらけて、たくさんの水がうねって動いているので、
妙に不安定な感じが、するといえばする。
ツキ(姪、5歳)「こわいねえ」
アメ「すずしすぎる!なんか、ここ、こわいよー」
と、暗くおべんとうをたべている。
おべんとうを食べ終わり、さんさんと照る太陽の下でマットの上に寝転びはじめると、アメとツキもすっかりくつろいでいる。
川岸までいって蟹をさがしたり。
妹と私はもう、ぐったりと眠い。
アメ、川から逃げて走りながら「津波が来るぞぉ〜 逃げろー! ツキは遅いから死んじゃったよ」と言う。
そのことで妹にたしなめられている。
アメ「あそびで言っただけだもん」
妹 「あそびでも、だめ。津波で亡くなった人がたくさんいるんだよ」
アメも妹も小声。
帰ったらツキは昼寝。アメはまだまだ元気に家の中で遊ぶ。
「蚊にいっぱい咬まれちゃったよー、痒いよー、うう どんどん痒くなって来たーー」と、さされまくった足を見せてくる。
気休めに虫除けスプレーを足と腕にかけてやる。
スプレーのにおいに顔をしかめるアメ。
私 「鼻から吸い込んだり、口に入ったりしないようにね」
アメ「なんで?」
私 「どくだから」
アメ「えっ!」
私 「だって、虫がよってこないようにするようなものだもん、人間にもあんまり良くないんじゃないかな」
アメ「ぼく、死ぬの?」
私 「死なないよ」
アメ「ほっ。」
夕方、ツキの髪をなにげなくかきあげた妹が、虱の卵を発見して半狂乱。
マレーシアから連れて来たらしい。保育所で流行っているそう。
私、妹、母でそれこそしらみつぶしにツキのアタマ中をさがす。
成虫も2匹発見。卵が30個あまりも・・・。
虱の卵ってもっと丸くてプチっとしたものかと想像していたけど、ちがった。
もっと棒状の小さい固まりで、髪にしっかりくっついている。爪でしごかないと取れない。
細い巻き毛のツキの髪の毛は、虱に好まれるらしい。
「明日またチェックタイムしなければ」
「見てるだけで痒い気がしてきた・・・」
夜、青山さんに撮影してもらっていた個展の記録写真のデータをいただいた。
整然と、そのときの空気そのまんまがそこに保存されていた。
写真は、それらの写真のうちのひとつ。
わたしはちょっと枯れた声という程度まで回復。
青山さんは咳をたくさんしていた。