アメ(甥、8歳)とツキ(姪、5歳)の会話がどんどんききとれなくなってきた。
日本語を母国語とはしない、という言語バランス感覚でふたりとも落ち着いてきているようすだ。
アメは、3歳から4歳ごろにかけて、日本語を話すことをとてもいやがった時期があった。
「キミが日本語で何をいっているのかわからない!」
「ニホン語はきらい!」
「うまくはなせない!」
と、英語で癇癪をおこした。
わたしは、3歳の甥に"You"でよばれるたびに、どきっとした。
ツキのほうは、兄であるアメが日本語を話すことで、アメほどは日本語に対する壁を感じることはなく育ってきているように見える。
アメとツキのふたりがふたりだけで会話しているときの、
解放された、のびやかな空気。
そんなときはふたりとも、声のいろがちがう。
どんなことも、いまの自分そのままに話してオッケーな相手であることを
お互いにみとめあっている、
とても親密で、じゃまのできない空気。