きのうの夜はタツミさんのバースデイパーティに行き、
愛をおしまないひとびとのあいだでひとみしりしながらも、
ワインみたいな夜をすごしてきたのだった。
たんに、ワインをのんだっていうだけなのかもしれないけど。
きょうは休養日。
きのうあかねに借りた本をよむ。
ツキ(姪、5歳)がわたしの部屋へ入ってきて、
「ナニシテルノ? あ knockするのわすれた」という。
わたしのへやへはいるときは、ノックしてね と言ったことをちゃんと覚えていてくれていることがうれしい。
「どくしょ してるの。」
「ドクショ てなあに?」
「Reading してるの。」
「ワタシもreading する!」
彼女は幼児雑誌をもってきて、ベッドのわたしの横にすわる。
「シホちゃんのほん、picture ないの?」
「ないよ」
「わたしのほん pictureばっかりよ」
「そうねえ」
「はっ reading reading」
彼女の集中はながくはつづかない。
「シホちゃん?わたし、ジ かくね。」
「うん」
「シホちゃん?コレ ドシテかくの?」
「ん?あ、『そ』ね、『そ』ってむつかしいよね」
静かで、カーテン越しに冬のひざしのさす、ぽかぽかとおだやかな時間。
「ワタシ ねむくなった ねてくるね」
「うん、ねておいで。」
ツキは昼寝をしにいった。
わたしは、彼女の習字をみる。
「できるのだとか・・・。
好きな人をひきつけることが
とっても みりょくてきになって、
キラキラとかがやいて、
のジュエリーを手にした女の子は」
行を逆からかいてある。
書けなかった「そ」の字のところが抜けていた。
彼女がこの文章の意味を解するまでにはまだまだも何年かかかりそうだが、
最近の幼児雑誌ってなんだかすごい と思った。