やっと、年賀状をかきはじめる。
書く、というか、描く、が主だ。
色をえらびはじめると、こころがちがうところへうつっていく。
その、ちょっとちがう場所にいるとき、なんだか幸せだ。
なんとなく急に、父との関係をかえようと決心した。
父に、旅行の感想をいろいろとたずねてみる。
わたしが急に自分から話しかけたので、少し驚いていたようだが、
うれしそうに話しはじめて、とまらなかった。
父に対して、どうしてもどうしても向けてしまうことをとめられなかった憎悪、
あれはいったいなんなのだろう。
父という個人に対してだけではない、
なにか、父という存在にいろいろなものを投影させてわきおこる、憎悪の感情、
であるような気がする。
すべて、わたしのなかにある記憶からおこっているんだろう ということだけ、つよく感じていた。
憎悪をひとにむけることで、じぶんを憎んでいく。
それを、どうやってもとめられない、ということが、とても苦しかった。
ここさえ抜けられたら、ほとんどなにもかもがオッケーになるんじゃないかと思うぐらい、
このことは、なんだかおおごとだった。
どういうわけか、今日の朝、すっと抜けられるような気がしたのだ。
そのタイミングがやっと来た、と、なぜか確信した。
なにがどうなっているのかよくわからないけど、
とにかく、そうだったんだ。