仕事のおわりがけに、カオリちゃんが事務所にあそびにやってきた。
偶然、ゆかちゃんからもメールがきた。
社長とカオリちゃんとわたしとで、ゆかちゃんの展覧会場へむかう。
そこでみんなでご飯をたべようということになったのだった。
ヨーロッパのカフェ風のそのお店にたどりついたとき、
外からガラス越しに、ゆめみたいなテーブルセッティングが照らされているのがみえた。
そろりと入ってみると、セピアいろの照明のなかに、
雪がつもったみたいな白い粉砂糖をかぶったちいさなお菓子が2段になった菓子台のうえにシックにかわいらしく陳列されている、とか、
しろい紫陽花がお菓子の間にさりげなくかざられている、
とかいうような、
世界がくりひろげられていたのだった。
「ブライダルの撮影用に作ってセッティングしたのよー」
「ブライダルパーティにいかがー?」
という、オーナーのちよさんとスタッフのふみちゃん。
「ブライダル、パーティ。。。」
「無いな。」
とわたしたち。
ワインをのみ、キッシュやスープや、煮込みとともに、パンをいただき、
ほんのり赤くなったカオリちゃんをながめながら、おしゃべりをする。
よくかんがえると、この4人で会って食事をするのははじめてだったが、
月に1回ぐらいこういうことをやっていたような気がするぐらいの雰囲気だった。
社長もわたしもほんとうに腹ぺこだったのだが、
おしゃべりとおいしい食事でとても満ちたりて、帰った。