2012年1月31日火曜日

12月11日

ホテルの部屋で目をさます。
ホテルの部屋って、禁煙の部屋でも、昔にしみついたような煙草のにおいがしている。
少しだけヨガをして、高円寺へ。
「おとうさん」(まり姉のだんなさま)がむかえにきてくれて、
A-ne cafe という、ずっといきたかったお店へ連れてってくれる。
メニューをみながら、なにがおいしいか、おとうさんにたくさんたずねる。
まあとどのつまりは、どれもこれもおいしいんだ、わかってたけど。

そうして、わたしが「○○にしようかな」って言っても、「やっぱり○○にしようかな」って言っても
「それはいいですね!」って言ってくれるおとうさんと、
何を注文しようかあれこれと話しあっているうちに、
まり姉が登場。
かろやかであたたかそうな色のポンチョをはおっている。
おとうさんは、ぽっちゃりと安心感のあるからだに、みどり色のコンバースを履いていて、
それがやけにかわいらしかった。
そう伝えると、
「は、みなさんそうやって褒めてくれるんです。これ、安くって、買っちゃったんですけど」
と、背中を、かくっ、かくっ、と折り曲げながら話してくれる、おとうさんである。

おだやかでやさしいおとうさん。
でも、夜見る夢の中では「革命軍に入って闘った」り、
「『あなたは悪者なので逮捕します』といわれて逮捕されてしまいました」り、
いろいろと激しいおとうさん。

おとうさんのことを話すまり姉がいつもうれしそうなのもいい、とおもっている。

いろんな種類のおいしいパンと、おいしいサラダと、おいしいカフェオレを飲んで、
まり姉とひっそり、だいじなだいじなはなしをかたりあって、
murmur magazine新刊を買いに新宿へ。おとうさんとはそこでわかれる。
「おとうさんは新宿がだいすきで、そこから外へでると、しゅんとしちゃうんだよ」とまり姉。

まり姉とふたりで外苑前へ。ワタリウム美術館の重森三玲展をみる。
ああ、きのうの伊集院くんやあやねの作品でかんじていたものが、
きょうもつながってしまった。

「おなじだね」とまり姉にいうと、
「うんっ」と、ちょっと目をおおきくしてちからづよくこたえてくれるまり姉だった。

ゆれうごいていく庭の映像にみいっていたら、
あやねが登場。
そして、滝田さん(まり姉のバンドのベーシスト)も。
4人で、すっかり暮れた外苑前の坂道をのぼってく。
「きょうは、すっごくおおきな買い物しちゃって、どきどきしてるんです」っていう滝田さん。
「あたらしいベース、買っちゃいました〜」
滝田さんの目がちょっとおおきくなって、背筋がくいっとのびる。

あやねとまり姉は、きのうはじめて出会い、
滝田さんとあやねは、きょうはじめて出会った
とはおもえない、のんびりとおだやかなお茶の時間。

東京駅であやねとわかれ、
まり姉とふたりで丸の内をあるいた。
光 について、
ひっそりとはなしをした2日間だった。
からだのなかを、お湯と光であらわれたようなきもちに、ちょっと、なっていた。
そういうことって、やっぱりちょっと、秘密にしたいものだ。